第5話
学校に着いて教室に入るとすぐに机に顔をつけて休む紬。
ガタッと前の席の椅子が引かれる音、振動が少しだけ伝わり、顔を上げると紬を心配そうに見ているまつりだった。
「紬、大丈夫?朝から何か変だし」
「ううん、何もないよ」
「本当に?私が莉多を好きだって言わなかった事を怒ってる?」
「えっ!?ううん、全然怒ってない」
まつりがストレートに言うので、紬は驚いて顔を上げて全力で否定する。
「じゃあ本当は、紬も莉多の事好きだった?」
「えっ?あー…」
— 好きだった?って過去形に聞いてくるんだ。
好き?とかじゃなくて、もう莉多は私のだからって言ってる感じ?
「そんな事あるわけないよ!私、好きな人他にいるし!!」
心の中では最低なことを考えてしまう紬だけども、やっぱり嘘をつくしか出来なかった。
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