119

「これで3件目だぞ!」


内心どこも一緒だろ!と、思ったのが顔に出ていたのか、後頭部をパコーンと平手打ち食らったものだから、一瞬呼吸が止まったのではなかろうか…


「はぁ?何?そんなに嫌なら私一人で行くわよ!」


こんなやり取りは2回目だ。

そもそも注文が多すぎなのではなかろうか…


あのドレスがいいとか、この打ち掛けもいいとか…

そんなもん脱がしちまえば一緒だろうに!


「ちょっと!何イヤラシイ想像してんのよ!」


「べ、べっに…何もしてねーよ!」


兄様が居なくなってからも俺達の関係は変わる事なく続いて、今や休みは式場選びに費やしている。

今日に限ってはブライダルフェアーに合わせて休みを取ったという所だ。


何を着ても姫は似合うし、一生に一度だから好きな物を着せてはやりたいが…


何故にこうもつかれるんだろうか…


昨日残して来た仕事の事を頭の隅っこに追いやり


「ここは、父がパンフレットを貰って来た所なの…」


由緒正しき式場を前に見上げた俺。


「ここにしないか?」


「ちょっと、まだ何も見てないじゃないの!まずは見てからよ!」


はいはい。

お好きな様に…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る