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「ごめんなさい…」「僕達のせいで…」


言葉を発したのは、空と海だった。


「何故お前達が謝る。お前達のせいではない。ただ…何があったのか、きちんとはなしてくれないか…」


親父の言葉はトゲトゲしたものではなかったが、この二人にとって、親父のこんな姿を見たのも初めてだろうし、ましてや兄様が帰って来ない理由がこの二人にあるとは思えないけれど、今の俺には二人を助けてやれるすべがない。


躊躇いながらも口を開いたのは空だった。




あの日、いつもとは違う装いで兄様の後に続いてい二人も出て行った。

それは、数日前に届けられた、叔父さんがアンバサダーをつとめているブランドのコーディネートされた一式三人分の服と靴、それとは別の姉様と俺のDCブランドのカジュアルな服、それから海人、北斗への彼らが好きそうなスニーカーにリュックが、冗談でも少ないとは言えない程の量届いた。

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