※ばらばらになった家族

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それは、突如として起こった。


夏休みも半ばに差し掛かった頃、海人、北斗の二人が未だ彼らの家ですごしている頃、一之瀬の屋敷はいつもと違う空気が流れていた。


それもそのはず、滅多に帰って来ない父親が仏頂面で居間の主の場所に座り込んでいる。


真夏の一番暑いであろう時間にエアコンも入れず、うちわ片手に…


そんな父の姿を初めてみたのは姉様だけではない、俺もそうだ。


この場所に本来居るであろう人物の姿はなく、ポツンと置かれたピンクの恐竜のぬいぐるみは、暑苦しさを倍増している。


この居間に持ってきたのは持ち主ではなく、この家の一番下の子だという事は間違いなさそうだ。


下手すれば、捨てられてしまうのではないかと…


兄様が帰ってこなくなって早、三日目。


俺達家族のグループチャトのアプリには一向に既読すらならず…


行き先すらも分からずに、ただただ待つほかなかった。

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