第89話

急いでご飯を食べたものの、お店を出る頃には土砂降りで強風。


「そういえば台風来てるって天気予報で言ってましたよね…」


「新幹線も止まってるみたいだし、仕方がないから宿探して泊まるか」


私も辰巳さんも店にもう一度戻り、宿を探す。


「どこもいっぱいですね…」


「お、ここならちょっと電話してくる」


席を急いで立ち、外へ電話しにいく辰巳さん。


「ついてないなー…」


仕事とはいえ、せっかく辰巳さんと遠出出来たのに…。


ふーっとため息をついていたら辰巳さんが気まずそうに戻ってきた。


「どうでした?空いていましたか?」


「それが…空いてるは空いてるんだけど…」


「?はい…」


「一部屋で、しかも…ダブルベットで」


「ダブルベット…ってベットが1つって事ですか!?」


急な展開に頭が追いつかない私。

確かに付き合っているけど、いつも寝る部屋は別だしましてや同じベットで寝るとか…

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