第82話
弟くんの2段前に座る。
「ごめんな、急にお姉さんの彼氏が来たら嫌だよな」
「…いえ、今日来ること聞いていましたし。
だけど実際目の前で現実を見るとなんか変な気持ちというか」
「茉佑の事好き?」
「なっ!?違いますよ!
確かにいつも俺を気にかけてくれて、学費とかも何とかしてくれたり感謝してるし、尊敬してます」
急に弟くんは立ち上がって熱弁をするのを黙って聞く。
すると今度は座って腕の中に顔を埋める。
「茉佑姉にはいつも苦労かけさせてばかりだったから、あなたと一緒にいて幸せそうな顔を見ると良かったって思いと、今までごめんって…」
「茉佑はそんな謝ってほしいなんて思ってないと思うけど」
「わかってますよ。だけど、ちょうど1年ぐらい前に反抗期で…たまに帰ってきて夕飯とか母さんの代わりに作ってくれて、それをいらねえとか言って床に落としたり…」
「それはまた…」
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