第80話
スリッパで廊下を歩く音が近づき、リビングのドアが開く。
「ただいま」
ブレザータイプの制服を少し着崩している男の子がこの状況を読み込めず固まって立っている。
「真緒!」
茉佑が男の子に抱きついて頭をワシャワシャとし、じゃれる。
「姉ちゃん!恥ずい」
「良いでしょ!姉弟なんだからー」
「つーか!誰?」
弟くんは俺をジッと見る。
すかさず茉佑のお母さんが「茉佑の彼氏さんよ」と紹介してくれた。
「は?彼氏…」
弟くんは面白くなさそうに俺を少し睨む。
「こらっ、ちゃんと挨拶しなさい」
茉佑の言葉に弟くんは嫌そうな顔をして俺に少しずつ近づく。
「初めまして…えっと、久保真緒です」
「初めまして。桜井辰巳です、よろしく」
茉佑と似た顔立ち。可愛らしい子犬系男子?
「俺、着替えてくるんで」
俺に挨拶し、すぐにリビングから出ていく。
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