第79話

~辰巳side~


「も、もう!私新しくお茶入れ直してくるね!」


恥ずかしくなったのか茉佑は、トレイに俺たちのコップも乗せて運ぶ。


茉佑がいなくなり、リビングの4人掛けのテーブルには俺と茉佑のお母さん2人が残された。


「あの子が、あんなに生き生きとしているのを初めて見ました…桜井さんのお陰ですね」


「いえ、そんな事ないですよ。

今も昔も茉佑さんは茉佑さんです!

それは誰のお陰とかじゃなく、彼女自身のお陰ですよ」


俺と茉佑のお母さんが2人で笑いあっていると茉佑が新しいお茶を持ってやってくる。


「何2人で話してたの?」


「内緒よ。ね、桜井さん」


「そうですね」


「気になるー」


ジーッと俺と茉佑のお母さんを交互に見る茉佑。

その時玄関のドアが開く音と同時に「ただいまー」という声が聞こえた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る