第69話

「私はシンプルがいいんだもん」


「俺も」


2人で笑い合う。


「あ、先に茉佑風呂使っていいから。

俺コンビニ行くけど何かいる?飲み物とか」


「飲み物?じゃあ…」


「「ストレートティー」」


私と新の声が重なり、また笑いだす。


「やっぱりなー。茉佑はストレートティーだもんないつも」


「さすが…新って本当に私の事わかってるんだね!」


「そりゃあ茉佑の事見てたからな」


そう言いながら新は座っている私の頭をポンっとし、携帯と財布を持って出ていく。


「え…」


あまりにもサラリと言われたけど、恥ずかしくなってその場に崩れる。


「顔熱…。なに今の」


私はフラフラしながらタオルと寝巻きをキャリーケースから取り出してお風呂場に行く。


「よくよく考えてみれば、幼なじみと言っても男と女…だよね?泊まっていいのか?」


鏡に映る自分を見て顔をブンブンと横に振る。


「新とは何も無い。そもそも幼なじみだし、それ以上でもそれ以下でもない!よしっ!」


あくまで何も考えず普通に過ごそうと気持ちを切り替える。

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