第67話

「そうだけどそうじゃないっていうか…

幼なじみくんともっと向き合って欲しいというか」


鈍い私でもさすがにわかる。

新が私に好意を抱いていることも、

辰巳さんが新と私をくっつけようとしていることも…。


「私が新と一緒になれば良いんですか?」


「…その方が親御さんも安心するだろうし。

良いんじゃないのか?」


私は近くに畳んであったタオルを辰巳さんに向かって投げる。


「は?茉佑…」


「…もういいです。

辰巳さんはどうあっても私と新一緒にさせたいんですよね?わかりました!」


洗面所から出ていき自室に入るとキャリーケースに私物を入れる。


ドアの所に駆け寄る辰巳さん。


「茉佑…」


「心配しなくてもちゃんと新の所に行くのでご心配なく!持っていけなかった分は後日ちゃんと引取りに来ますので!」

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