4.契約解除?

第61話

「「ただいまー」」


あの後、私は2人と合流して今日のところは帰ってきてまた新と後日会うことになった。


「あの、辰巳さん。

今日は本当にすみませんでした。

新、失礼なこと言ってましたよね?」


「うーん…特に大丈夫だったよ」


ニコリと微笑むその笑顔。本当なの?どっちなの?

私もつられて苦笑いする。


「…でもいいな。昔から一緒の幼なじみって

俺はそういう人いなかったから」


「え?」


「小さい頃は習い事とか塾とかそんなんばっかりで自由なかったし、一人暮らし初めてから高校も大学も結局は桜井ホールディングスの御曹司と仲良くしとこうって魂胆丸見えだし…

あ、悪い。今の忘れて」


多分、何も考えずに思ったことを口にしたんだと思う。だから話している時少しだけ辛そうな顔をした気がした。


気づけば私は、辰巳さんの洋服の裾を引っ張っていた。

何故か彼が遠くに行きそうな気がして…

このまま離れていきそうな。

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