第48話

「すみません…」


「やはりな。

巻き込んで申し訳ない」


「いえ、全然!

最初は協力するつもりだったんですけど…

辰巳さんの事を知れば知るほど惹かれていて。

だから謝らないでください!

むしろこんな機会をくれた事に感謝しかないです」


ホントに感謝してもしきれないほど助けてもらってばかりだ。


私がそう言い切るとお父様は黙って真っ直ぐ外を見る。


「それでも、辰巳とは関わらないでいただきたい」


「どうして、ですか?私のお育ちが悪いからですか?」


「辰巳の事を思うなら、離れてほしい。

アイツは緑川さんのお嬢様、アリサ様と結婚した方が良いんだ」


私は立ち上がってお父様の前に立つ。


「でもそれだと辰巳さん自身の幸せはどこにあるんですか?親の都合だけじゃなく、話を聞いてあげてください!」


ぺこりと会釈をし、その場を去る。

廊下に出ると私を探していた辰巳さんと鉢合わせする。

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