3.自分の立場

第41話

桜井さんのお父様に会うことになっている日曜日になってしまった。


「眠れなかった…」


携帯のアラームは止めたものの、緊張でずっと起きていた。


「はー…気持ち悪い…」


フラフラしながら歩き部屋のドアを開けると洗面台の方の明かりが着いていた。


「え?桜井さん…」


「おはよ、茉佑」


いつも寝起きが悪い桜井さんが余裕をもって起きる私よりも先に起きて髪の毛をセットしていた。


「何その有り得ないみたいな顔」


「あ、すみません。つい」


「父は時間に厳しい人だから一応」


「…その割にはいつもギリギリまで寝てるような」


「何か言った?」


私の独り言が聞こえたのか、ニッコリ笑いながら私を見る。


「いえ!全く何も無いです!」


私は首を横に全力で振って否定する。


「朝ごはん直ぐに用意しますね、桜井さん」


「あのさ、その呼び方」


「呼び方ですか?」


「前にも言ったけど2人の時は名前で呼んでって。少しでも付き合ってる風にした方がいいだろ?」


「…まぁ確かに。

えっと、辰巳さん?」

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