「どれ？食べたいやつ」

「うっ…えっと」

バニラビーンズが入ってると書いてあるちょっとお高そうなクッキー&バニラのアイスカップ、

目がそこに行ってしまう。

「あれな」

桜井さんは私の目線の先のお目当てのアイスカップを手に取る。

「俺もこれ好き。普通に美味い」

「そうなんですか」

「ここのスーパーアイスの入れ替えが結構多いからさ、一通り食べてるかも」

また桜井さんの知らない一面を知れた気がした。

「糖分は疲れた脳にききますよね」

「だからたまには糖分とれ」

カゴにアイスを2個入れながら話す。

「茉佑は普段から頑張りすぎ」

「そんな…っ」

それは鬼上司の桜井さんが仕事を山のようによこすから…。

でもいつも定時に終わらない量ではない気が…

「茉佑は仕事丁寧だし、早いから助かる。

いつも任せて悪いな」

「いえ…」

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