第22話
「さ、さ、桜井さん!」
「辰巳。2人の時はそう呼ぶ」
「辰巳さん…」
「ん。そう」
私が名前を呼んだら少しだけ照れて笑う桜井さん。
その仕草に思わずきゅんっと胸が鳴った気がした。
だけど私と桜井さんはただの上司と部下で偽恋人で本物の恋人じゃない…。
でもいつか桜井さんに本当の恋人が出来てしまったら…
私は隣にはいられない。
「茉佑?」
下を向く私に声をかけ、私は顔をゆっくりあげる。
「お腹すきましたね!早く帰ってご飯作りますね」
「あ、あぁ」
私は精肉コーナーで合い挽き肉を取って、桜井さんの持つらカゴの中にいれる。
ハンバーグに必要な材料を入れてレジに並ぼうとするが、桜井さんの足が止まる。
「あー1ついいか?」
「はい…」
桜井さんについて行くと、アイスコーナーにたどり着いた。
「アイス…ですか」
「寝る前にアイス食べんの習慣なんだよ。
茉佑も何か食べるか?」
「え?いえ、私は…」
いつも勿体なくて買うことできない。
でも食べたいー
アイスコーナーがキラキラして見える。
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