第20話

「そうなんですか!?

桜井さんクラスになるとこう夜景の綺麗なところで部長クラスの人たちとご飯かと…」


「俺みたいな係長だとそんな事しねーよ。呼ばれねーし」


「そうなんですか」


「そんで何必要?」


野菜コーナーの前で立ち止まる桜井さんに私はハッとして隣に並ぶ。


「えっと、玉ねぎと…サラダとか食べます?バランスその方がいいですよね?」


「そうだな」


桜井さんは玉ねぎ、レタス、トマトとカゴに入れていく。


「ねぇ、あの人見て」


「超かっこよくない?」


「カゴ持って野菜入れてる姿がかっこいいとかやばいよね!?」


コソコソと後ろから声が聞こえ、ゆっくり振り返ると同い年ぐらいの女の子2人が桜井さんを見て話していた。


そっか、近くにいてあんまり気にしたことないし鬼上司だと思ってたけど…


桜井さんは確かにかっこいい…よく気づくし。


「久保?どうしたボーッとして」


私の異変に気づいた桜井さん。


「いえ、なんでも…」

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