第16話

「嬉しいですよっ。でもそれ以上に普段見ない桜井さんの笑った顔が見れたというか…」


私の言葉を聞くと、右手で口元を覆う桜井さん。


「照れてます?顔真っ赤ですよ」


「うるさい」


左手で私の顔の前に手をあてる。

本当に照れているらしく、動揺している姿が何とも可愛い。


クスッと笑うと桜井さんが苦々しい顔をして私の肩をポンッと押すと私はバランスを崩して後ろから転びそうになる。


「きゃっ…!」


「あぶなっ」


咄嗟に私の頭に桜井さんの右手腕が周り桜井さんに押し倒されるような形で2人して転ぶ。


「って…。久保、大丈夫か!?」


「私は全く大丈夫です…。

桜井さんの腕!大丈夫ですか!?」


冷静になった私は桜井さんの右腕を心配する。


「大丈夫…。声でかい」


「あ、すみません…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る