第15話

「インスタントコーヒーはここ。カップはここら辺の適当に使っていいから」


珈琲の場所とカップの場所を聞いて、用意する。


「ありがとうございます!桜井さん」


「もしかしてと思うけど、俺の入れようとしてた?」


「あ…はい。カップの中身大分減っていましたし。桜井さんの珈琲の好きな温度とかいつもいれているのでわかってるし入れようと…思ったんですけど」


初めて来た場所で勝手に触っていいのかもわからなかったし。


「本当にお前は、よく気づくな」


「え?」


「久保の仕事が要領良いの解る気がする」


「そんなこと…」


「お前はしっかり周りを見てる。

それは誰にでも出来ることじゃねぇからさ」


いつもはあまり見ない微笑み。

激レアな瞬間で思わずニヤける。


「…褒めてるのに何ニヤニヤしてんの?嬉しいってことか?」

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