第14話

しばらく荷解きに没頭し、気づけば夕方になっていた。


お世話になっているからせめて夕飯ぐらいは作った方がいいよね!


部屋から出るとリビングでパソコンを広げて何やらカチカチと仕事をしている桜井さん。


邪魔しちゃいけないかな…。

珈琲無くなりそう!用意しよう。


一歩踏み出し、キッチンに立つ。


立ったものの何処に何があるかわからない。


「久保。何してる?」


固まった私を不思議そうに見る桜井さんに思わず苦笑い。


「珈琲を入れようかと…

だけど、何処に何があるのかわからなくて。すみません」


「そりゃそうだろ」


桜井さんは立ち上がって私の横に来る。

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