第8話

「久保、1つ提案がある」


「なんですか?」


「俺と付き合え」


「はっ?」


あまりにも意味不明な言葉に茉祐は固まり、それ以上言葉が出てこなかった。


「聞こえなかったのか?」


「いえ!十分聞こえてます!

ただあまりにも意味不明だったので」


天然なのか、何なのか。桜井は首を傾げて茉祐を見る。


「つまりだな。俺の偽恋人になってほしいって事だ。デートしてくれたり、夕飯作ってくれたりすれば時給が発生するっていうシステムでどうだ?」


「何言っているんですか!?正気ですか?」


「俺はいつでも至って普通だ。」


「時給って…」


「俺は婚約者から逃れたい。久保はお金が欲しい。お互いwin-winの関係じゃないか」

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