第7話

桜井はしゃがみこんで、茉祐と目線の高さを合わせる。


「なんでそんなにお金がないんだ?」


「私の家、母子家庭で高校生の弟もいて…

そんな母が最近怪我して暫く働けないらしくて、実家の家賃は父が残した遺産で払い終わっているのですが、食費とか弟の学費とか払えなくて」


「だから嬉しそうに肉食べてたんだな」


「久しぶりのお肉だったので」


「実家の方も自分の方もってめちゃくちゃキツくないか?」


「はい、なので…実家に帰ろうかと。

そうすると今の会社を辞めないといけないのですが」


暫くの沈黙。

それを破ったのは桜井。

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