第6話

部屋に入ると余計な物がひとつも無いシンプルな部屋だった。


「ん…さ、桜井さん!?」


「やっとお目覚めか…」


茉祐は桜井から離れるとすぐに廊下で土下座をする。


「お見苦しい所をお見せした上にご迷惑をかけてしまい、申し訳ございませんでした」


「アホ。やめろ」


「それに…さっき、庇ってくれたこと。

あながち間違ってなくて…」


「男目当てだって話のか?」


「いえ、お金の方です」


桜井は「あぁ。そっちか」とさらりと気にしてないように話す。


「会社の飲み会だから割っても安く済むじゃないですか!でも、あんなオシャレな人達とご飯行ったら高そうな所だろうし、割り勘でも少人数だと高くつくし…」

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