第82話

お昼時になり、近くの噴水もお花畑もある公園に行きベンチに座る。


「飲み物買ってくるけど何がいい?」


「じゃあ…アイスティー」


「わかった。ちょっと買ってくる」


圭さんは近くの売店に走って買いに行く。


私は圭さんが作ってくれたお弁当を広げる。


「美味しそー」


「お待たせ。ん、アイスティー」


「ありがとう!圭さん、おにぎりの具は何?」


「あー…昆布と梅とおかかと明太子」


「昆布!いただきます」


「召し上がれ」


青空、風も心地いい。

そんな中で食べるおにぎり美味しくないわけがない。


「んー!美味しいです」


「そりゃ良かった」


「素直じゃないなー」


「ふんっ」


照れながらモグモグとおにぎりを頬張る圭さん。


「食べたらどこに行く?何か見たいのある?」


「そーだな…。まだ時間あるし、近くの海行かね?」


「海?いいよ」


「つーか…暑いな」


「アイス買って食べながら海の方行かない?」


「いいなそれ」


2人で笑いあってると、小学生ぐらいの男の子が私のところに歩いてきて「こんにちは」と話しかけられた。


「こ、こんにちは…」


「こら、純!いきなり失礼でしょ」


男の子のお母さんらしき人が走ってきて男の子の頭を叩く。


「お久しぶりです」


「あ…」


純君は、光輝が通り魔から守った子供。

お葬式で見かけたのを思い出して思わず立ち上がる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る