第79話

「ジャムも作った?」


「まぁな」


鼻歌歌いながら楽しそうな圭さんは可愛い。

でも可愛いなんて言ったら怒りそうだから言うのをやめる。


ジャムをつけてフレンチトーストを口に入れる。


「んっ!んー!!」


あまりにも美味しくて幸せな味に言葉にならない。


「美味い?」


私は頭を上下に振り、飲み込むとすぐに口を開く。


「すごーく美味しい!」


「おぉ。それは良かった」


「ジャムも凄く美味しいよ!これどう作るの?」


「じゃあ今度教えるよ。一緒に作ろ」


「うん!」


朝はどちらかとらいうとそんなに食べれる方ではないけど、圭さんが作ったフレンチトーストなら何枚でもいけるかもとか、凄い。


「ごちそうさまでした」


食べ終わり、後片付けは率先して私がやる。


「手伝うよ」


「いいよ、圭さんは先にお出かけの用意して」


「そうか?じゃあ先に洗面所使うな」


「うんー」


こういう朝もいいな。新婚みたいな


「あのさ、買い物も行きたいんだけどいい?」


洗面所に行ったかと思えば、ひょっこり顔を出す圭さん。


「えっ?全然いいよ」


「約束なー」


ひらひらと手を振って今度こそ洗面所に行っただろう。


「何だったんだ?」


いつもは聞かずに連れ回すのに今日はやけに気を使われている気が…。


思わず首を横に傾ける。

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