世界で一番優しいその場所は

第78話

圭さんと同棲してから2ヶ月が経ち、夏真っ盛りです。


今日は2人してお休みの土曜日なので目覚ましをかけずにまだ眠ったいた。だけど、ほんのりいい香りがして目が覚め上半身だけ起き上がる。


「この香りはお腹が空く…」


お腹が鳴ると同時に部屋のドアが開いて、圭さんが入ってきた。


「はよ、凪咲」


「圭さん、おはよ。早いね」


「まぁな。休みの日ぐらい俺が朝飯作ろうかと思って」


最近の圭さんは、マイブームかのようにご飯作りに凝っていて私より正直上手だと思う。


「何作ったの?」


「んー。フレンチトーストのヨーグルト添え」


「朝から凝ってるね」


「そうか?凪咲フレンチトースト好きだろ?」


「うん、好き」


圭さんは掛け布団の上から私の足元付近に座る。


「良く眠れましたか?」


「うん、めっちゃぐっすりだよ」


「今日この後どっか行かね?」


「珍しいね、圭さんが誘うの」


「弁当も作ったから外で食べない?」


「あ、なるほどね」


とりあえず起きた私は洗面所に向かい、顔を洗いながら洗濯をかける。


その後リビングに行くとテーブルに並べてある朝食はどこかのホテル並みのメニューだった。


「圭さん、本当に私より料理上手だよね?」


「そうか?ジャムをつけると更に美味いぞ」


渡されたジャムは、どう見ても市販のではなさそう。

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