第69話
確かに私は矛盾している。
皆に知られたくないのに、圭さんを束縛している。
「私って…自己中心的だ」
自己嫌悪に陥る。
シュンっとしながら、ソファーの上で体育座りしているといい匂いがして顔を上げる。
「ホットココア。飲むか?」
「いれてくれたのー?」
「凪咲、このマシュマロ入の好きだろ」
「うん!ありがと」
圭さんからマグカップをゆっくり受けとって飲む。
「おいしー!!」
足をじたばたさせながら喜ぶ単純な私。
その姿を見て笑う圭さん。
「何で笑ってるの?」
「単純で可愛いなって思っただけ」
「また子供扱いする」
「してねーよ。子供だったら、こんな事出来ねーだろ?」
頭をグイッと自分に引きよられ、ソファーの後ろから圭さんに突然唇を奪われる。
「甘っ」
舌を出して笑うその姿が仕草があまりにもかっこよ過ぎて私は言葉を失う。
「どーした?」
「な、なんでもないよ…」
反射的に思いっきり顔を逸らす。
「あ?変な凪咲。
そういや夕飯どーする?凪咲を送りがてらどっかで食べてくか?」
「そうだね。それか、私が作ろうか?」
「いや、明日も仕事あるしあんまり遅くに外で歩かせたくねーし」
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