手と手
第59話
翌日のお昼時間、私と百瀬さんの事を気にかけていた山口さんに一応、百瀬さんに気持ちを伝えた事を話した。
「…って事になりました。
山口さん?」
山口さんは瞳いっぱいに涙をためていた。
「私、嬉しいです!矢島さんと百瀬さん推しなので!」
「推しって…」
「矢島さん!!」
彼女に両手を掴まれて、凝視される。
「幸せになってください!!」
「ちょっと待って!
私、百瀬さんと付き合ってないけど?」
「え…だってその、矢島さんのケジメとかは無しでどうしたいか聞かれて、一緒にいたいって言ったんですよね?」
「改めて復唱されると恥ずかしいんだけど…
まぁそうだね」
「それって付き合ってるんじゃないですか?
好き合ってる同士だし」
何を今更とでも言いたそうな彼女の正論の言葉に私は何も言えない。
確かに付き合おうとか、付き合ってくださいとかなかったけど…。
「言葉にして始めたいなら、矢島さんから付き合おうって言ったら良いんじゃないですか?
今まで百瀬さんがリードしてばかりでしたし」
「え!?待って…!それはちょっとハードル高いというか」
「今までどうしてたんですか?」
「告白されて…みたいな」
「じゃあ良いんじゃないですか!振られる心配もないし、付き合おうって言ったら即OKですよ!
安心して経験しましょう」
山口さんは指を立てて、グッとする。
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