第46話

「……っ」


泣きそうになる自分の口元を手で抑える。

すると百瀬さんは私に気づいたのか、こちらを見てしばらく見つめ合う。


「……」


「……」


百瀬さんは私に聞かれたことに気づいたのか顔を思いっきり逸らす。


「なぜ!?」


「聞いてんなよ。ばーか、ばーか…」


「ばかって言われても、声に出されてたら聞こえるというか聞かない方が難しいかと思うのですが…」


「う、うるせっ」


百瀬さんはスタスタと歩いて私の横を通り過ぎる。


私は1度光輝のお墓の前に行き、「また来るね」と言ってから百瀬さんの所に行く。


「お待たせ致しました」


「もういいのか?」


「はい!また…来るねって言えたので」


「そうか。じゃあ…あ、その彼の実家に寄るんだっけ?」


「いえ、それが急用が入ってしまったとの事で後日になりました」


「そうか…」


その後から先程の事もあったからか、バス停に向かうまで話すことがお互いに出来なかった。


バス停に着くと、予想外のことが起きてしまった。


「あー…バス次来るの50分後ですね」


「さっき見とけば良かったな」


バスの時刻表を見たらちょうど行ったあとだったらしく、50分後まで来ないという。


「なんか、雨降りそうですね…」


雲行きも怪しくなってきて、この状態で雨降ってきたらヤバい。傘持ってないし、ここのバス停所々屋根に穴空いてるし…

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