第45話

2人でお線香をあげて、合掌する。


-光輝、今年は遅くなってごめんね。

あれから2年経ったんだね…

私、たまに泣いちゃうけどちゃんと前に進めてるよ!


ゆっくり目を開けて光輝のお墓を見る。


「大丈夫か?」


隣で百瀬さんが心配そうに声をかける。


「はい!大丈夫です!」


すると携帯のバイブが鳴っていることに気づき、取り出し手画面を見て、ハッとする。


「すみません、光輝のお母様から電話でちょっと出てきます!」


私は小走りで墓地から少し離れてから電話に出る。


「はい!」


『凪咲ちゃん?ごめんなさい、ちょっと今日急用入ってしまって出ないといけなくて、うちに来る日はまた改めてで大丈夫かしら?』


「大丈夫ですよ!今光輝のお墓参りは出来ましたし、今度改めてで大丈夫です!」


『ありがとう、ごめんなさいね。

また詳しく決まったら連絡するわね』


光輝のお母様との電話を終えて百瀬さんの元に行くと、百瀬さんが光輝のお墓を見ながら何かを話していた。


何だろう…。と思い少しずつ近づく。



「…俺はあなたの代わりにはなれません。それは絶対に出来ない。だけどこれからは俺なりに矢島さんを守りたいって思ってます。

あなたの事が大好きな矢島さんをそのまま好きなんです。許してくれますか?」


光輝のお墓に向かって優しい顔で、声で光輝に伝える百瀬さん。

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