第41話
別に矢島さんと一緒だったら何処でも…
「あ、そろそろ行きますね!
営業頑張ってください」
矢島さんは腕時計を確認し、俺に会釈すると営業部に入っていく。
「俺も行くか…」
エレベーターの下りボタンを押し、丁度来たエレベーターに乗り込む。
「……」
俺はスーツのポケットから携帯を出して、【お好み焼き 美味い 都内】と検索し夜ご飯する場所を探す。
吉良物産に着くと、「百瀬くん?」と聞き覚えのある声が聞こえて振り返ると、高校時代に付き合っていた彼女だった。
「花梨」
「どうしたの?うちの会社に用事?」
「ここ花梨が働いてるところか!?」
「うん、そうだよ。
百瀬くんは…営業?」
「あー…ここの新作ドリンクうちのオンライン販売させてもらおうかと」
「そうなんだ。
ねぇこの後時間ある?夜とかご飯行かない?」
「無理。予定あんだわ、じゃあ」
花梨に素っ気なく返すと担当と待ち合わせしている場所まで歩く。
営業は検討するという事になって、終わったのは18時前で定時で上がる矢島さん待たせることになる。俺は吉良物産から出ると急いでタクシーを拾って会社に戻る。
【少し時間が遅れそうだから、休憩スペースで待ってて】とメッセージを送る。
矢島さんからは【了解です。気をつけて戻ってきてください】と俺を気遣うメッセージが返ってきた。
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