第40話

返事は来るのか?

さっき、俺変なこと言ったし…


あー!くそっ…


イライラしながらキーボードを叩くと携帯が光、通知画面が見えた。


【新着メッセージ 1件 矢島凪咲】


すぐにスライドをしてメッセージを見る。

【行きます。】という彼女の控えめなメッセージ。


「矢島さんから?」


隣のデスクにいる藤原がニヤッとしながら聞いてくる。


「ち、ちげーし」


「百瀬、顔嬉しそうですよ」


バンッと机を叩いて立ち上がる。


「あ!?んなわけねーだろ!

バッカじゃねーの!

課長!吉良物産に営業してきます」


「お、おお。よろしく百瀬」


俺はカバンに資料を入れて営業の為に部署を出るとエレベーターから降りてきた矢島さんと会う。


「矢島さん」


「百瀬さん!?お疲れ様です」


矢島さんの手には沢山の書類。

全部経理の申請書か何かだろうか。

俺には一生向かない職種だ。


「経理の申請書間違えてた?」


「はい。サイン漏れとかいろいろと。

百瀬さんは営業に行かれるんですか?」


「まぁな。そうだ、ご飯何食べたい?」


彼女に尋ねると上を向きながら悩み込む矢島さん。


「あ、お好み焼き!お好み焼き食べたいです」


「お好み焼き?」


何かこうパスタとかピザとかイタリアン系が出てくると思ったが彼女の斜め上の解答に思わず聞き返してしまった。


「あ!もしかして気分じゃないですか?」


「いや、全く」

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