第39話

~side 百瀬


エレベーターで矢島さん達と別れると、すぐに藤原から「どういうこと!?」とか「何でそうなった!?」とか質問攻め。


「別に…」


「矢島さんみたいな子がタイプなんだ」


「矢島さんみたいな子っつーか、一途に誰かを思い続けてる姿見たらなんつーか…守っ…」


守ってやりたい…って言いかけ咳払いして途中で言うのを止める。

藤原はその瞬間を聞き逃さなかった。ニヤニヤしなぎら俺の方に手を置く。


「守っ何?」


「うぜぇ」


俺は珈琲をいれて席に着く。


「でもさ、矢島さんって元カレさんの事は1度置いといて、あの容姿だし凛とした立ち振る舞いとかでうちの部署だけじゃなくて他の部署とかでも人気だよ」


「あ!?」


マジかよ…。まぁ、でも簡単に落とせるようなタイプでもないし、焦らなくて大丈夫だろう。


カタカタとパソコンと向き合い作業をする。


「……」


途中でキーボードを打つ手を止めて、携帯を開いて【矢島凪咲】にメッセージを送る。


【夜、飯行かない?】


いつもと同じように簡潔な短文で送る。

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