第37話
お昼を食べ終え会社に戻ると、エレベーター前で百瀬さんと藤原さんと会う。
「矢島さん、山口ちゃんもお昼外だったん?」
藤原さんがひらひらと手を振りながら歩いてきた私たちに気づく。
「はい、山口さんおすすめの定食屋に…百瀬さん達は?」
「俺らはいつもと同じ安くて美味いうどん屋」
「俺たちいつもそこなんだよなー」
「彼女さんにお弁当とか作ってもらわないんですか?」
山口さんは来たエレベーターに乗り込むと藤原さんの隣に立ってストレートに聞いていた。
「山口ちゃんって、結構痛いところつくねー。
彼女がいたらお弁当お願いしてるよ」
2人は金曜日の歓送迎会から話すようになったのかな?
私は百瀬さんとボタン近くに立つ。
「百瀬さんは彼女とか…」
「彼女いたら一昨日遊園地に行ったりしないだろ?」
「そうですよね」
私たちの会話を聞いていた2人が声を合わせて「え?」と驚く。
「え?矢島さん、百瀬さんと遊園地行ったんですか!?」
「百瀬、手を出すの早くね?」
2人が私たちに勢いよく聞いてくる。
私は苦笑いをし、百瀬さんは「ちっ」と舌打ちをする。
「百瀬さんは、私を元気づけようとしてくれて一緒にお出かけをしてくれただけで…」
「興味無い奴と遊園地一緒に行くほど暇じゃねーよ」
そう言って百瀬さんは藤原さんとエレベーターを降りていく。
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