お好み焼き

第35話

月曜日。職場に行くと既に山口さんが出社して、パソコンと睨めっこをしていた。


「おはよう…ございます」


金曜日の飲み会、途中で抜けたから少しだけみんなの目が気になってしまう。


「おはよう、矢島さん」


「おはようー」


皆はいつも通り普通にしてくれていた。

山口さんはというと、


「お、おはようございます!矢島さん」


「山口さん、おはよう…」


「あの…っここ教えていただいてもいいですか!?」


書類を私に見せて聞いてくる。


「えっと…請求書、だよね?普通に入力してくれれれば…」


「あー!ごめんなさい!そうですよね…」


「あの、ごめんね気を使わせてしまって」


山口さんはブンブン首を横に振る。


「私、矢島さんの事大好きなので!

だから、上手く言えないんですけど…私の事も頼って欲しいと言いますか、愚痴を吐いて欲しいと言いますか…」


「山口さん…」


一昨日、百瀬さんに言われた言葉【皆が気にかけている、1人じゃない。】というのを思い出した。


「山口さん、お昼ご飯一緒に行かない?」


「も、もちろんです!何処にでもお供します!」


2人して笑いあっていると、始業のチャイムが鳴りお互い自分の席に座る。

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