第34話

約1時間ぐらい並んでやっと購入できたハンバーガーはとても美味しかった。


外のベンチに2人で腰をかけて食べる。


「百瀬さんって、普段お休みの時何してるんですか?」


「あー。釣りとか、ゴルフとか、フットサルとか…とりあえず家にはいねーかな」


「アクティブなんですね…」


あはは、と私が笑うと「まぁな」と返ってきた。

私は周りの人達を見たり、空気を思いっきり吸う。


「いいですね、外の空気」


「だろ?だからたまには仕事外で外出しろよ。

1人が嫌だったら俺も付き合うし、お前は1人じゃないんだから」


「え?」


「お前の事を気にかけてるのが周りにいっぱいいるってこと。後輩の子とか、宣伝部の奴の友達とか、俺とか」


今まで友達が私に気を使っていた事も気づいてたのに…私1人だけ、悲劇のヒロインやってた。


「…たまには弱音を吐いたって良いんだ。こないだみたいに」


「聞くから」とさっきよりも優しい声で私を真っ直ぐ見ながら百瀬さんが言ってくれた。

その瞬間、少しだけウルっと涙が出そうになったがギュッと我慢する。


「百瀬さん、また今日みたいに何処か一緒に行ってくれますか?」


私の突然の発言に驚いた百瀬さんは、食べようとしていたポテトを落とす。


「も、百瀬さん?」


「そんなん何処にでも連れてくって」


「お願いします」


両手を前に合わせてお願いする。


「おぅ。俺いろんな所知ってるから、任せろ」

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