第20話

「あまりにも百瀬さんが、大好きだった人に似てたから…顔も声も、仕草も…だからびっくりして逃げちゃって、すみませんでした」


「はぁ!?何だよそういう事かよー」


怖がらせていたのかと思ってたし、そんな事で俺は避けられていたのか。


「俺、あん時イライラしてたからあたったかと思ってた」


「確かにイライラしてて怖そうな印象ではありました」


「だよな、俺第一印象最悪だよな」


「それは私もですよね、すみません」


2人して謝りあう。

俺はコイツの事は嫌いじゃないと思った。

素直で一途なんだと…。ただ、そう思った。


そんな時、すぐ後ろからこの雰囲気をぶち壊すような声が聞こえた。


「っていうか、矢島さんって今まで1度もこういうの参加して来なかったじゃん」


「何で今日来てんの?」


「あれじゃない?百瀬さんとか狙ってんじゃない?」


確かに俺は何度か歓送迎会とか会社の飲み会に参加はしていたが彼女を見たのは初めてだ。

でも彼女が俺や藤原目当てで来てるとは全く思えねえ。


「矢島さんは、私が1人にならないように一緒に来てくれただけです!」


彼女の隣に座る後輩っぽい子が、女たちに反論していたが、そんな事で引かない女達。

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