第18話
2人で謝りあっていると、さっき百瀬さんと藤原さんを誘っていた女の子席の方から嫌な声が聞こえた。
「っていうか、矢島さんって今まで1度もこういうの参加して来なかったじゃん」
「何で今日来てんの?」
「あれじゃない?百瀬さんとか狙ってんじゃない?」
こう普段参加しない事に参加するとこういう事になるのか。言われても仕方がない、だけど別に百瀬さんとかが目当てなわけでもない。
「矢島さんは、私が1人にならないように一緒に来てくれただけです!」
私はこのまま無視しようとしていたのを山口さんが庇ってくれた。
本当に天使のような子だ。
「山口さん…」
「ふん、さっき聞こえた好きな人が百瀬くんに似てるとかさ、言ってたけど。
だったらその好きな人の所に行けって話」
「媚びすぎて超ウザイ」
「お前らうるせ…」
百瀬さんが言いかけた瞬間、私はその場で立ち上がる。
「ごめん、山口さんちょっと御手洗」
ハンドタオルを手に取って席から離れ、化粧室に入る。
「あー…もう、ダメだな私。
言い返すことも出来ないし、山口さんに庇ってもらっちゃったし、それに…」
— 好きな人の所に行けって話
行けるなら、行ってるよ。
あのまま一緒にいるよ。
あの言葉は、彼女たちにとって何ともない言葉だけど、私にはとても残酷な言葉だった。
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