第5話

「いやさ、会社近くの方で刃物を持った男が歩いているから捕まるまで外に出るなって言われてさ」


「捕まるまでずっと待機してたってわけよ。昼ごはん食べれなくて腹減るし、怖いしで大変だったんだよ」


男性2人は私に疲れたよーって言いながら話してくれた。

「お疲れ様です」と言って励ます半面、犯人は誰も傷つけずに捕まったかどうか気になっていた。


ここら辺の管轄は光輝のはずだから。

捜査一課だし、きっと来ていたはず。


「犯人は、捕まったんですか?」


「ん?捕まったって聞いたから俺達もここに来れたんだけど」


「そういや、その犯人を捕まえるときに子供が刺されそうになったのを1人の警察官が庇って刺されたって聞いたけど」


「えっ!?だ、誰ですかそれは!」


警察官が刺されたっていう言葉だけで私の気持ちは更に不安になり、2人に詰め寄る。


「えっ!?矢島ちゃん?」


2人は動揺しながら私の顔を見る。


「凪咲さん!」


詰め寄る私を戻してくれたのは後輩の彼女。


「しっかりしてください!まだ彼氏さんかもわからないじゃないですか!

とりあえず連絡してみましょう」


彼女の言葉に頷いて、レジカウンターにいる店長と目が合う。

店長は頷いて外の方に指を指す。


私は頷いて携帯を取って外に出て、すぐに光輝の携帯に電話をかける。

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