第4話

「おはようございますー」


ギリギリに出て何とか出勤場所のレストランに着く。私はこのイタリアンレストランのウェイターと経理を担当している。


更衣室で制服に着替えていると後輩の女の子が私と同じタイミングで入ってきた。


「凪咲さん、おはようございます」


「おはよう」


「今日凪咲さん急いでいるんですか?」


「え?何で」


「いやだってさっき店長に1分も今日は残業出来ませんって言ってたじゃないですかー」


そう。私は更衣室に来る前に店長とすれ違い、何かと雑用を押し付けてくるから予防線を引いていたのだ。


「もしかして、彼氏さんと何かあるんですか?」


ニヤニヤと悪戯っぽく笑いながら私に聞いてくる彼女。


「今日5年記念日で、大事な話があるから外食しようって言われて」


「きゃー!プロポーズじゃないんですか!?

凪咲さんの彼氏さんって何している人なんですか?」


「えっと、警察官」


「え?警察官!?カッコイイですねー

うらやまですー」


彼女は自分の事のように楽しそうに話してくれたからか、朝の不安が少しずつ消えていく。


きっと、覚えてないけど嫌な夢でも見てそれが引きづっているだけなのだろう。

そう思うことにした。


お店がOPENして暫くはいつも通りの流れ。

だけど、昼時12時頃は店が混雑するはずなのに全然混み合わず、その所為か14時頃に混み始める。


「いらっしゃいませ」


常連のスーツを着た男性2人が入ってきて席に案内すると「いやー参った参った」と声を合わせる2人。

思わず「どうかされたんですか?」と尋ねる。

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