第3話
「じゃあそろそろ行くなー。
凪咲、大事な話あっから絶対遅れんなよ」
「わかってるよ!光輝こそ、仕事…無茶しないでね」
「お。わかってる」
中々彼から手が離れない。
大丈夫だって、わかっているけど不安な私。
もう二度と会えない気がしてしまったから。
「凪咲。また後でな」
彼は私の手をゆっくりと解いて離す、
いつもよりも優しいトーンで話しながら。
「じゃあ行ってくるな」
「行ってらっしゃい」
ドアがガチャンと音がするまで見届けた。
それからすぐに自分の身支度を整え始める。
それと同時に自分の朝食の支度もする。
暫くすると光輝から【5年目。これからもよろしく】のメッセージが携帯に届く。
いつもはこんな事を送らない程面倒くさがりなのに。
きっと私の様子が変だったから送ってくれたのだろう。
「…光輝、大好き」
私もすぐに彼にメッセージを返す。【私こそこれからもよろしくね。大好き】と。
「やばっ!のんびりし過ぎた!」
いつもより早く起きたからと調子に乗っていたのだ。少しスピードを上げてメイクしたり着替えたりして慌てて家を出る。
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