16-6

それから、短い時間のヘルプに2人ほどついた。


会話はいいからとにかくキス!って人。

指名嬢じゃないからか、明らかに無愛想で不機嫌…そのくせ、ヘルプでも触れるだけ触ってやろうみたいな人…



男の人って…触れたら誰でもいいんだな。

その一方で、最初のお客様みたいに、ほとんどつかないのが分かってても指名で通い続ける人もいる。


酔った頭ながら、色々衝撃だった。

この仕事、そのうち男性不信になりそうだ…



そして、初めてフリーのお客さんにつけてもらった。

こちらも常連さん。


横に座ると「お疲れ~」と言ってくれた。

何だかその一言で、妙に気持ちが解れた。



『常連さんって伺ったんですが、このお店って人気あると思いますか?』


「まぁまぁやないかな…サービスも上には上があるけんね。俺はここ好きばい。女の子が元気ある。やる気ない子ばっかの店とかあるしね」


『そうなんですか…』


「あ~でも最近オキニが結構やる気ないけどね 笑」



客は苦笑いした。



『オキニさん、指名はしてないんですか?』


「気に入った子は何人かおるけど、俺はいつもフリーで入るばい」


『そうなんですか…』


「オキニ、席ついてもチャーム(つまみ代わりに少し出されるお菓子)ばっか食っとる 笑」


『それは…頑張ってるからお腹空くんですよきっと』


「まぁ腹は減るやろうけどさ~…なんかな~…」


『お客さん優しいから、休憩所みたいになってるのかもしれませんね』


「あ~それはあるかも…てか優しい?」


『優しいですよ~。最初のお疲れ~で、私めっちゃ気持ち解れましたもん。ありがとうございます』


「え~そうか~…考えたことなかった!ていうか敬語要らんよ~」



しばらくオキニの愚痴を聞いた後ドリンクを1杯頂いて、私は断ってから客の足に自分の足をかけた。


すると、客が言った。



「…なんかスポーツやっとった?」


『脚がたくましいって?』


「身体の割にね」


『前にチャリ通勤してたらこんなんなったんですよ~』


「あ~それは大変そうやね」


『どうせならもうちょいオッパイ欲しかった…』



私は半ば無理やり、そっちの話題に持っていった。



「…小さくはないんやない?」


『うん、でももう一声欲しかった…』


「今、何カップ?」


『当ててみて?』


「う~ん…」



客が私の胸を見ながら、しばし悩む。

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