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高価な物など持ち合わせたことのない私でも一目で分かる、分かりやすいブランド品の数々。
衣装ケース3つ分のこれらは、おそらく最近はほとんど使っていないだろう。
普段から使っているなら、こんな奥にはしまい込んだりしないはず。
『こっちのやつはほとんど使っとらんのやないと?』
「うん…」
『売ろう。そしたら返済出来るとやない?』
「そうやね…」
案外簡単に、叔母は承諾した。
そして私達はそれらを衣装ケースごと、叔母の車に積み込んだ。
ネットで買取の店を調べて、すぐにそこへ向かう。
ブランド品の価値などよく分かっていない私は、売れば大金が手に入って、半分くらいは完済出来るのではないかなんて思っていた。
結果。
甘かった。
バッグは保存状態が悪く、型崩れした物が多い。
酷いものだと、一部はカビていた。
保証書や保存用の袋も何処にやったのか、無い物が多い。
特徴のあるデザインのものだと、流行が過ぎた今では高くは買い取れないと言われた。
洋服も同じく。
きちんとクリーニングに出されていない物すらあった。
アクセサリーは、この中ではまだマシな値段がついた。
その他、よく分からないキーホルダーや使いかけの香水のうち箱有りのものは、どうにか買い取ってもらえた。
でも、私の予想の半分の金額にも満たなかった。
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