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そんな話、本当にあるの?

疑問に思った私は、いろんな文言で検索をしてみた。


借金 断られた 紹介

融資 別の会社 紹介料

……



出て来たサイトのひとつを、隅々まで読んだ。

そこには「紹介屋」の文字。


「審査10分!他社借入OK!」の様な文言で、他では借りられなくなった多重債務者を釣る。

でもその会社自体は、はなから貸付をするつもりはないらしい(貸金業者ですらない場合も多いそう)。


でも客はそれを知らずに、お金が借りたい一心で個人情報を渡してしまう。



してもいない審査をあたかもしたかの様に言い「うちでは融資出来ない。あなたでも借りられるところを、紹介料を払ってもらえたら紹介出来る」と話を持ちかけてくる、


これに乗らない多重債務者は、まずほとんどいないらしい。

そして無事融資が受けられた場合、債務者は紹介料をその中から2~3割支払うという仕組み。



この紹介屋が紹介してくるサラ金もまた、曲者。


現状、年収の3分の1しか貸してはいけないという法律がある。

大手の業者だと、それを超えて貸すことはまずない。


でも当時はまだ、その法律が施行される前だった様で…


大手はともかく小さな会社だと、年収を多く申告させたりして貸付してくれる業者もまだ多かったそう。

その様な業者を、紹介屋は紹介してくる。



何故小さな会社はその様なことをするのかというと、そうでもしないとお客が来ないから。


誰だって、借りるなら最初は大手で借りる場合がほとんどだろう。

私もそうだったし、叔母もそうだった。


そこで借りられなくなった人は、自分が借りられる業者を次々と探す。

その時がその、小さな業者の出番というわけ。



叔母は知ってか知らずか、その紹介屋を使いまくってたということ。


それが分かった、晩冬。

私はひとつの決意をした。


そして、それに向けて少しずつ準備を始めた。

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