10-2

「今日はもう、あそこ(溜まり場)行くのやめよ」



また、悠人くんが言う。



『え~また?こないだも行かんやったやん!』


「最近なんかみんな、里菜に対して前と態度違うやん?なんか見とってイライラするっちゃん」


『なんで?』


「さわるなって思う」


『触られとらんよ?笑』


「なんでもいいけん今日は行かん。2人でおりたいもん」


『わかった~笑』



いつ頃からかこんな日が増えてだんだんみんなとは会わなくなって、2人だけで居る時間が更に増えた。


お金はなるべく使いたくないし、何より田舎は娯楽が少ない。

海や山に2人で行っても、みんなで行くほどは楽しくない。


昼間だと、彼の母親は大抵うちにいない。

ゲームもDVDもすぐに飽きて、イチャイチャしてたらやることはひとつ。



カーテンを閉めて、狭いシングルのパイプベッドの上でふざけ合う。


キスしながら最初は服の上から、やがて全て剥ぎ取って、もう知り尽くしたお互いの気持ちいいところを刺激し合う。



どうやら私は濡れやすい体質らしく、すぐに下着を濡らしてしまう。

そのおかげで、初めての時はあんなに痛かったのにもうスムーズに受け入れることが出来る。


ただひとつ…イッたことは、まだ一度もなかった。


この頃になると、終わった後に必ず悠人くんが「イッた…?」と聞いて来た。

それに毎回答えるのが、申し訳なくてとても苦痛だった。



私はこの日も、首を横に振った。


イクというのがどういうのか分からないから、演技も出来ず、馬鹿正直に答えるしかなくて。

ガッカリした様な申し訳なさそうな悠人くんを見ると、いつも泣きたくなった。

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