10. 大人への階段
10-1
それから、約2年。
18になった私は、仕事も手伝いも相変わらず頑張っていた。
悠人くんとも、相変わらず付き合っている。
もともと、どちらかがずっと片想いしていて…みたいな始まりではない。
おまけにどちらとも、あまりテンション高く燃え上がる方ではない様で。
だからなのか、特に大きな喧嘩もないまま当初と変わらぬ熱度で付き合い続けていた。
この2年で、気付いたこと。
悠人くんは、結構なヤキモチ妬きだった。
服装とかに気を遣う様になったら、少しだけ自信がついたと思う。
そしたら、性格も何だか前よりも前向きになった。
みんなに明るくなったねと言われる様になり、周りに人が以前より増えた。
するとこれまではそんな素振りはなかったのに、悠人くんが徐々にヤキモチを妬く様になった。
私はそれが嬉しくて、更にファッションをあれこれ研究する。
ダイエットの記事も、いろいろ読んだ。
この頃は特に太ってもいなければ痩せてもいなかったけど、そういう女子力の高いことに触れてる自分が好きだったのかも。
ただ自転車通勤のおかげで脚にめちゃくちゃ筋肉がついてしまい、それが唯一の悩みだった。
『悠人くんは、なんで私と付き合おうと思ったと?』
「う~ん…わからん…」
『わからんと?!』
「とにかく彼女がほしかった…」
『やっぱ誰でもよかったったいね…』
「今は違うけん」
それは分かってるけどさ…地味にショック。
『誰でもよくてもさ、もっと可愛い子おったやろ?地味やし可愛くないし、なんでわざわざ私にしたんかな、ってたまに思うったいね…』
「う~ん…ひとりで黙って頑張っとる感じを、どうにかしちゃりたくなったのはある」
『なにそれ~!笑』
私は笑った。
だけど悠人くんのこの言葉が、後々忘れられない一言になった。
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