07-5

そしてそれは、すぐに始まった。

私が長湯しちゃったし、彼はきっともう待てなかったんだろうな…



ぺたんと座った私の顔に、悠人くんが触れた。


唇が唇に触れて、舌が入ってくる。

深いキスは初めてで、どうしていいか分からない。

だからただ、されるがままに目を閉じていた。



初めてなのは伝えてあるし、大丈夫。

大丈夫、大丈夫、大丈夫…

何度も頭の中で、繰り返した。



キスしながら、バスタオルの合わせ目を外す時に、悠人くんがやたら手間取ってたのをよく覚えてる。


もしかして悠人くんも初めてで、緊張してるのかな?と思った。

それを見たら、少しだけ気持ちが落ち着いた。



だけどバスタオルを剥がされて押し倒された時、その考えは私の勘違いだと確信した。

私から剥ぎ取ったバスタオルを、悠人くんが丁寧に広げて私のお尻の下に敷いたからだった。



そういえばホテルに入る時も、なんだか慣れている様にさえ見えた。


1つしか変わらなかったから、この時悠人くんは15~16のはず。

田舎の子は性に早熟だって聞いたことがあるけど、そういうものなのかな?


どちらにしろ、彼が初めてじゃないのがショックな様な、安心した様な変な気分になった。



首筋を舐められ、胸を触られ…

彼の手が、どんどん下に降りていく。


彼の息が、どんどん荒くなる。

彼は当時の私にとって、あの息苦しい家から救い出してくれた王子様だった。


その王子様が、そうやって息を乱している様子に、正直少しだけガッカリしたのは内緒…



だけど彼の唇が私の胸に触れた時くらいから、色々考える余裕なんて、どんどんなくなっていった。

最初はいちいち訊いて来てくれてた悠人くんも、だんだん口数が少なくなっていく。


下着の上から下半身を触られ「濡れとる…」とポツリ言われた時には、もう返事すら出来なかった。



濡れるのは膣を守るための身体反応で、自然なこと。

快感とは、無関係(諸説ある様ですが…)


でもそんなことを知ったのは、もっとずっと後。

だから、興奮なんてしてないのに、そんな余裕ないのに、それでも濡れてる自分が恥ずかしくなった。



あの部分を触られた時は、気持ちいいというよりも身体に電流が走ったみたいなピリリとした感覚だった。

入れる指を少しずつ増やして、動かされた時も、気持ちいいのかどうかよく分からなかった。



「入れていい…?」


『…うん…』



悠人くんがゴムを付けてる間、私はずっと天井を見ていた。

怖いのと恥ずかしいのとで、どうにかなりそうだ。


私の脚の間に悠人くんが来るとますます緊張して、あんまり見て欲しくなくて脚も大きく開けない。

だから余計に、挿入に時間がかかった。



「もっと脚開いて、力抜いて」



悠人くんの声が少しイライラした様に聞こえたから、私は焦って思い切って脚を開いた。

やっと入口に先端が当たり、悠人くんが一気に腰を押し付けて来た。

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