07-3
逃げ込んだバスルーム。
頭からシャワーをぶっかけて、アメニティのよく分からないメーカーのシャンプーを掌に出して、もくもくと泡立てる。
うちで使ってるのとは、違う種類の匂い。
大人の匂い。
洗い流すお湯の音が、妙に大きく響く。
水に漬けたらムクムク大きくなったスポンジを、これまたよく分からないメーカーのボディソープでモコモコ泡立てた。
背中は洗えないから、しょうがなく小さいタオルを1枚犠牲にした。
悠人くんはどうやって洗ったんだろ…
なんでこんなちっこいスポンジしかないんやろ?
これじゃ、誰かに洗ってもらわなきゃいけんやん…
そう思って、ハッとした。
誰かに洗ってもらう…
そっか…大人は、2人で入ったりするのか。
洗ってもらうなら、こんなスポンジで大丈夫だよね…
改めて、バスルーム内をぐるりと見回す。
ガラス張りの、広いバスルーム。
姿だけじゃなく、考えてることまで誰かに見られている様な気がして、私は慌てて浴槽に身を沈めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます