07-2

──数日前。


海岸でキスした帰りに、悠人くんが言った。



「次は、最後までしたい」



怖いけど、拒否なんて出来なかった。

大好きだもん。

興味だって、めちゃくちゃある。



まさか、初体験がラブホテルになるなんて思ってなかった。


だけどお互い自分の家には親や叔母がいるし、溜まり場はいつ誰が来るか分からない。

結ばれる場所には、ホテルを選ぶしかなかった。



カラオケBOXとかネットカフェとか、もっと安く済む場所も考えなかったわけじゃない。


だけど田舎だから特に、バレた時のことを何よりも私たちは恐れた。

だからわざわざ、2駅離れたここまで来た。


悠人くんのお給料日を待って、今日になった。



本ばかり読んでいた私は、なんとなく行為については知っていた。

時には比喩を用いて美しく、時には擬音や声まで、割と詳しく描かれていた。


だけど私が読んでいたのは、大人向けの小説がほとんど。

だからそれはあくまでも大人向けの内容で、快感や悦楽を前提に描かれたシーンばかり。

初体験の描写なんて、読んだことない。



だから私は、本当は痛くなんかないんじゃないか。

気持ちいいんじゃないか。


そう思ったりした。



でも、やっぱり怖い。


下着は一応、持ってる中では一番可愛いと思うやつを付けてきた。

結構悩んで、考えて決めたつもり。



ちゃんと出来るのかな。

痛いのかな。

私の身体が変で、嫌われたらどうしよう…


そんなことを考えながら、迎えた今日…

ついに、来てしまった。

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