07. 初めての…
07-1
数日後の、暑い日。
私たちはせっせと自転車をこいで、2駅先のとある町に向かった。
駅前の無料駐輪場に自転車を停めてしばらく歩くと、そこは地元よりもかなり華やいでいた。
中心地と比べたらまだまだ田舎だけど、それでも私たちからしたら、結構な都会。
お昼過ぎの、日が高い時間帯。
私はかぶっている帽子を更に目深に引っ張り、悠人くんの後ろを無言でついていった。
しばらく歩いて裏手に入ると、明らかなホテル街。
その中の1つの小さな入口を入ると、部屋の写真がついたパネルがズラリ。
ところどころは、電気が消えている。
「どれがいい?」
悠人くんが聞いて来たけど、緊張しきっていた私にはどれも同じに見える。
どれでも…と呟くと、悠人くんがパネルのボタンを押した。
何やら紙を受け取ると、悠人くんに手を引かれてエレベーターに乗った。
本当に私みたいな子供が、こんなところに来て、大丈夫なんだろうか。
ホテルの人にバレない?
もし学校にバレたら?
叔母さんにバレたら…
キョロキョロしている私とは対照的に、悠人くんは終始俯いたまま。
全く喋らないまま部屋に着いて、ドアをゆっくり閉めた。
初めてのラブホテル。
もう、引き返せない…
部屋に入ると、先にシャワー浴びると悠人くんはバスルームに向かった。
部屋にぽつんと1人。
とりあえずTVをつけた。
エッチなやつがやっていて、慌てて消した。
ありがちなパターン。
だけど例に漏れず、やってしまった。
冷蔵庫を開けてみる。
透明なケースの向こうに、飲み物が見える。
ボタンを押したら、出て来るのかな…
ベッドに乗って、枕元のスイッチをパチパチしたり。
アダルトグッズのカタログを見たり。
落ち着かない感じで過ごしていたら、悠人くんがなんとパンイチで出てきた。
どうしたらいいか分からなくて、私は入れ替わり逃げる様にバスルームに飛び込んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます