06-2

夏休みになると、更にその気持ちは強くなった。


学校がないから、家に居るしかない。

昼間は溜まり場に逃げて、夕方に泣く泣く帰ってくる生活。


悠人くんは仕事だから、入れ違いになることも多かった。



そして、夏休みのある日。

叔父が帰宅して、叔母が仕事に出かけた後。


後片付けを終えてシャワーを浴びて、パジャマではなくジーンズを履いた。

髪を綺麗にブローして、色付きリップを塗った。



そのまま数時間、部屋でひっそり過ごした。

本を読んでいたけど、何だか目が滑って頭に入って来ない…


自分がこれからしようとしていることに、緊張していた。



そして2階の部屋の電気が消えたのを確認してから、しばらくして、私はこっそり家を出た。


家を出て、こっそり鍵を閉めた。


早歩きで…家から少し離れてからは、走った。

とにかく走って、走って、走って、走った。


慣れない田舎の真っ暗な夜道が怖いのと、バレて追いかけられるんじゃないか、という不安。

その2つに追い立てられる様に、ひたすら走った。






そして、あの溜まり場に着いた。

ドアを開けると、みんながちょうど何処かに行こうとしているところだった。

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